読書感想文:成果を出すために長時間労働は必要か
0. Twitterで書くには長すぎるので
というブログ記事を読んだ。成果を出すために必要なことは何かについての考えを書きました。
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) April 19, 2021
成果を出すために長時間労働は必要か https://t.co/wb6dPXnfsG
普段は人様のブログ記事にアンサーバックするようなブログは書かない(というかそういう行為は割とめんどくさいと思っている)んだけど、ちょっと感想が長くなりそうなのでポストしてみる。
1. 「長時間労働しなくても仕事はどうにでもなる」について
確かにどうにでもなる。が、僕の経験の範囲でいえば、これには条件がつく。それは、成果の結果としてできたアウトプットが、冷静かつ客観的に評価される環境があることだ。
時間を使って努力した結果が成果として目に見えればいうことはないのだが、準委任契約で業務の開始時点で売上が決まっているような仕事しか割り当てられない環境だと、何をやっても同じになってしまう。仕事で努力してアプトプットを作っても、それが評価されることはないのである。
特に
成果を出せない人は重要な仕事は任されません。ここ超重要です。
なぜこれが重要なのかというと、重要な仕事を任せてもらえる人は、その仕事の経験値でさらに成長が加速していくからです。単純作業だけ任される人よりも、重要な仕事を任される人の方が成長スピードが早いのは当たり前です。
若い頃についた優劣の序列は歳をとっても逆転することはほとんどありません。むしろほとんどの場合格差は広がる一方です。なぜなら早いうちに成果を出した人はより重要な仕事を任されてさらに成長速度が上がっていくからです。一度ついたこの序列を逆転するには並大抵の努力では困難です。不可能ではありませんが相当努力しないと難しいでしょう。
の箇所、同意はできるのだが手放しには同意できない。なぜなら、同期入社でも早い段階から準委任契約の商材扱いにされてしまうと、成果を出したくても客観的な数字は契約時点で固定されてしまっているので、何をしても(ポジティブな意味での)成果がなことになってしまう。
そういうのを間近に見てしまったこともあり、成果を出せるのは環境に依存するところが大きいと思うのだ。
2. 「高い成果を出すためには時間は絶対に必要」について
正しいやり方で、たくさん時間を使う。
という箇所には大いに同意できるのだが、
これが成果を出すために必要なことです。正しいやり方はどうすればわかるの?と疑問に感じる人もいると思います。その答えは正解を知っている人に聞きましょう。正解を知っている人とは、すでに高い成果を出している人です。身近にそういう人がいたら、その人の話をよく聞いてスポンジのように吸収しましょう。身近にそういう人がいないなら、成果を出している人をインターネットで探して、そういう人の書籍を読んだりセミナーを受講したりしましょう。とくに読書は簡単なのに費用対効果が抜群なのでおすすめです。
の箇所、前述の「準委任契約の商材扱い」から逃れていたメンバーに聞いてみたら、「いつものとおりやっているだけ」との回答が。エンジニアとして優秀な若手だったのはそうなんだけど、彼が携わった業務を棚卸してみると、準委任契約の商材になっていたら絶対にできないような施策を行っていたことが分かった。
成果とはそういうところに集まる、ということなんだろう。
3. 「大事なのは結果であってプロセスではない」について
意味もなく休日出勤して頑張っている姿をアピール
するなど論外なのはまったく同意。
結果であってプロセスではないのは、ある意味残酷ではあるけれど真理だと思う。
4. 「全ての人が圧倒的な成果を出す必要はない」について
自分はプライベートを重視したいから仕事の成果は30くらいでいい。今までは80の成果を出してきたけど子供が生まれたのでしばらくは50くらいの成果にしたい。こういう選択が自分で選べる会社が良い会社です。逆にこうした選択ができずに、常に80以上の成果を出せ!と会社に強制されるようだと、どこかのタイミングで必ず生きるのが辛くなります。
の箇所、昔話をする。
ある日、当時の経営層がアメーバ経営を導入しだしたとき、アメーバの単位を「準委任契約の商材とそれ以外」でグルーピングしてきたことがあった。
評価軸の一つに「アメーバとしての売上」があるのだが、業務の契約時点で売上が決まっている準委任契約の商材しかいないアメーバだと、何をしても浮き沈みすることはないので、逆説的に何もしないことが最適解になってしまう。一方、何かやればそれが売上という結果に反映される「それ以外のメンバーで構成されたアメーバ」とは、当然のことながら勝負になるわけもない。
しかしながら、制度上アメーバ間の競争は常に発生するので、前述の引用のように、自分ではどうしようもない環境起因の結果のせいで、会社での労働が生きづらいものと感じていた。
これは自分にとっては辞めた会社の話であってすでに過去の話なので、もうどうでもいいのだが、残った人たちはこのいびつな評価体制をどう思っているのだろうか。
5. 「睡眠時間だけは削ってはいけない」について
これについては完全に同意。1日8時間くらいは寝ていたいw。
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